物流を考えるうえで必要な基本情報がありますので、先に確認しておきましょう。
それは、5W1Hです。5W1Hとは、Who, What, Where, When, Why, Howのことです。
どう応用するかは、物流業界で頻繁に使用されている多種多彩な専門用語を使いながら、順次説明していきます。
この専門用語を把握し駆使出来るようになれば、物流の大きな流れが理解でき、顧客の依頼、要求、質問事項に適切な回答提供ができるようになります。その結果、最適かつ最良の物流方法を展開する上に大いに役に立ちます。又、この5W1Hの思考法は、友人との対話、夫婦間の会話、ビジネスでの営業会議等にも大変役立ちます。
まずは下記の5W1Hの詳細をご覧ください。これらの情報は物流業務で常時使用するBLという大切な書類に大いに関わっています。
1. Who
Exporter/Shipper輸出者、Importer/Consignee輸入者、Supplierサプライヤー、Manufactureメーカー、Carrier船社、飛行機会社、Forwarder乙仲、Customs Broker通関業者、Drayage companyコンテナドレージ会社、Trucking companyトラック会社、Rail company鉄道会社、Warehouse倉庫会社、Messengerメッセンジャー、等々
2. What
どんなカーゴ、Commodity, Goods, Merchandize等の取り扱う商品
3. Where
From where to whereどこからどこまで、Origin of shipment出荷地、Destination of shipment仕向け地、POL (Port of loading) 出荷港、POD (Port of discharge) 到着港、Origin of manufacture生産地、等々
4. When
ETD出発予定日、ETA到着予定日、Cut off搬入期限、Completion time of goods 生産完了日、Transit time船足、schedule本船のスケジュール、等々
5. Why
どうして航空便? どうしてコンテナ船? どうして急ぎか? どうしてトラックではなく鉄道配送? どうして木枠梱包が必要か? どうしてパレット積みにするのか? どうして遅配したのか? どうして船社直ではなくフォワーダーを使うのか? 等々
6. How
method of moveどのように輸送するのか? method of payment支払い方法、 fee/charges多種の費用, incoterm貿易ターム、等々
以上を踏まえて、早速実際に有り得る日常の業務から基礎を学んでいきましょう!
何の経験も知識もないあなたが、ある貿易会社、物流会社もしくは生産工場の新入社員として出勤した初日を想像してください。研修生のあなたのデスクの上にはコンピューターのモニター、キーボード、電話があり、ほかにはまだ何も乗っていません。隣の先輩、上司のデスクを見ると、そこには多くの見たこともない書類が山積みになっています。電話で交わされている会話には英語なのか日本語なのか判明しにくい単語が飛び交い、じっとコンピューターのモニターとにらめっこをして、どうやら、書類作成やEmailの交信をしているようです。集中していて無駄話もできない緊張感が漂っています。
初日を迎えた研修生として、これから物流・商流にかかわっている多くの方々との対話、会議、交渉が待っています。上司、先輩、メーカー、顧客、トラック会社、船社、飛行機会社等々、これから行われるシミレーションをとおして、一つずつ勉強していきましょう。
「第2回へと続く」